だんだん村のまんなか野原。
そこに、一軒のお店が立っています。
料理上手なアナグマ「あなパパさん」のお弁当屋さんです!
お料理上手なみんなのパパ、『あなパパさん』が活躍する、『まんなかのはらのおべんとうや』シリーズ第3弾。
今作では、だんだん村に秋がおとずれます。
そんな秋の森であなパパさんが出会うのは、ちいさな森の妖精「たねっぽ」たち。
ひつじおばさんの誕生日にむけてプレゼントを用意していたというたねっぽたちですが、どうやらトラブルがあって、てんてこまい!
働きづめで、おなかがペコペコのようです。
おなかが空いているのなら、あなパパさんの出番!
腕によりをかけて、秋の味覚をお料理します。
「まんなかのはらのおべんとうや」シリーズのみどころは、なんといってもあなパパさんの作るお弁当!
とても細かく描きこまれたお料理は、ながめているうちに味や匂いまでしてきそうです。
キノコやカボチャ、柿や鮭——
秋の食材をふんだんに使ったあなパパさんの新メニューの数々が……ああ、食べてないのにもう、おいしい!
色あざやかに描かれる、だんだん村の自然もみどころのひとつです。
紅葉で赤や黄色に染まった森。
木々のあいだをさんぽするトンボたち。
落ち葉のカーペットは、キノコやドングリで飾られています。
こんな景色のなかで、あなパパさんのつくるお弁当をもって、ピクニックができたらどんなにたのしいだろう——
そんな想像が、きっとこの絵本を宝物のような一冊にしてくれるはず。
さて、たねっぽたちの魔法のようなプレゼントを、ひつじおばさんはよろこんでくれるでしょうか?
とびっきりにおいしくて、きれいなラストシーンを、ぜひごらんください。
(堀井拓馬 小説家)
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