「ラプンツェル」と言えば、塔に閉じ込められた美しい髪を持つお姫さまのおはなし。
ディズニー映画にもなっていますし、よく知られているプリンセスですよね。
昔話にはおなじみの王子さまも登場するはず。
でも……『ラプンツェル あたらしいかみながひめの おはなし Rapunzel』はちょっぴり違うんです。
一体どんなおはなしかというと……?
高くて暗い塔に、たった一人で魔女に閉じ込められているラプンツェル。
毎日訪れる魔女はラプンツェルに「髪をおろしておくれ」と呼びかけ、髪を縄のようにつたって塔へ登ります。
魔女は、ラプンツェルの金色の髪を、金持ちに売るためにくすね「ここから逃げられないぞ」「出たら呪いをかけてやる」と脅します。
「ラプンツェルはこわがったかって? いいえ とんでもない!」
全く脅しに動じないラプンツェルは、ある日、自分の髪を使って塔から出ます。
そして、魔女に気づかれないように、森でできた新しい仲間にも手伝ってもらい、ある計画を立てて、ひそかに準備をはじめたのです……。
さあ、この「ラプンツェル」のおはなしの結末はどうなるのでしょう!?
ダイナミックな構図と、モノクロの中であざやかに輝く黄色のコントラストがおしゃれ。
せっせと逃げ出す準備をするチャーミングなラプンツェル、森で動きまわる生き生きとした表情に釘付けになっちゃう。
作者のベサン・ウルヴィンはイギリスの作家。2014年にひときわ目立つ新しいあかずきんを描いた『リトルレッド あたらしいあかずきんのおはなし Little Red』でマクミラン・イラストレーション賞(The Macmillan Prize for Illustration in 2014)を獲得。
2016 年にはニューヨーク・タイムズ紙による児童書のベストイラストにも選ばれています。
絵本作品が邦訳出版されたのは初めてですが、『リトルレッド あたらしいあかずきんのおはなし Little Red』と同じく、ラプンツェルという有名なキャラクターを新解釈で描いた本書も注目度大です。
翻訳したのは、明るいキャラクターで、テレビやラジオで人気を集めるタレントの関根麻理さん。
同時発売の『リトルレッド あたらしいあかずきんのおはなし Little Red』とあわせて、関根さんが初めて翻訳した絵本だそう。
小気味いい女の子のキャラクターが伝わってくる軽快な訳です。
気になった方から、ぜひ手にとってみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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