ボクってさいこう!気ままなノラネコぐらしだからね!ヒトには、ソクバクされたくない。でもね……
【あらすじ】
ネコの僕は、気ままなノラ猫生活を楽しんでいる。猫であることの魅力や能力を総動員してパスタ屋の主人からご飯をもらったり、保護センターの職員から逃げたり、毎日がちょっとした冒険だ。
そんなある日、一人の少女の家に迷い込み、家ネコとしての生活が始まってしまう。そのうちこの家から出ていくと思っていたが…
ネコの習性を知り尽くした作者が描く絵本とエッセイの間のような、お話。
【感想】
作者自身のネコ好きぶりが伝わってくる。私も猫を飼っていたが、本当に、猫というのは賢くて、かわいくて、ズルくて、気まま。自分が可愛がられていて、飼い主が何をやったら喜ぶかよく知っている。猫を飼っているというよりも、猫に飼われているというか、踊らされているというか…そんな、思い出を彷彿とさせる作品でした。
主人公の猫は、いつの間にかその辺にいたような、猫。彼の(彼女の?オスのような気がしたけど、どっちだろう?)過去についてはよくわからない。見た目はドラネコで、生活力があるタイプ。愛想は良くない。ただし、エサをもらう時は別。現実主義で、世の中を斜めから見ているところがある。
もしこれが人間だったら、全然かわいくない感じなのだが、どういうわけか猫だとかわいく感じてしまう。こういう症状のある人は、立派な猫中毒で、猫依存症なので、ご注意ください。
外国の人が描く猫というのは、いろんなタイプがある。いかにも「外国」「異文化」という猫もあるけど、この人の描く猫は、なんだか日本のネコっぽい。親近感が持てる。漫画のような、コミックエッセイのような、絵本のような、不思議な感じの本で、どれにも分類できない感じが、この主人公の猫の生き方と重なる気がする。
こんな風に、生活力を発揮して、たくましく生き抜いてやろうと、思いました。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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