わあ、あめだ!
学校帰りの突然の夕立に、ぼくはいっぽんすぎの下に駆け込んだ。
すると・・・
ドーーーン!
大きなカミナリが落ちてきた!?いや、ちがう。
カミナリこぞうがふってきた!!
ここからは、見たことのない世界が始まります。
カミナリこぞうは想像をはるかに超える大きさ。
あかんぼうみたいなのに、ぼくの何倍もある。
「タイコ コワレタ。タイコ コワレタ。」
泣きながらぼくの後ついてくる。うわあ、助けておかあさん!
ところが、おかあさんも妹もカミナリこぞうではなくて、ぼくの頭に驚いている。
確かに爆発ヘアーになっちゃったけど・・・それどころじゃない。
どうやらみんなには、この巨大なこぞうが見えないみたい。
仕方がないから、次の日ぼくはカミナリこぞうをつれたまま、学校へ登校した。
退屈になったカミナリこぞう。なんと教室の中で、
ドーーーン!
大変、とんでもないことになったぞ・・・!?
雨の日に起こったファンタジー。
そう聞くと、なんだかフワフワっとしたイメージがあるかもしれませんよね。
でもこの絵本、とことんリアルでクリアなんです。
体験したことのないスケールの大きさの景色が、日常の世界に出現するのです。
すごいインパクト。そしてすごく面白い!!
先の読めないストーリーに、何といっても個性的でユーモラスな絵が魅力的です。
一度読んだら忘れられないこの絵本。
「さっきのカミナリ、ほんとうにすごかったよな。」
まさにそんな気持ちになっちゃいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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