登場するハーブに合わせた表紙カラーがとってもカラフル。主人公のジャレットの服装も毎回オシャレで、一緒に暮らす6匹のネコたちもとってもキュート。女の子の好きなものがいっぱい入った、魅力たっぷりの「魔法の庭ものがたり」。
16巻目となる今回のお話のテーマカラーは空色。いったいどんなハーブのお話が待っているのでしょう。
ある日、魔女の遺産を相続し「ハーブの薬屋さん」として暮らす人間の女の子、ジャレットのもとに、依頼が舞い込みます。それは、友達のスーのママがきりもりする「ビーハイブ・ホテル」のお客様からの依頼でした。お部屋を全部青いものでいっぱいにし、「マダム・ブルー」と名乗るちょっと変わったそのお客様は、わけありな様子で、ジャレットに「青いハーブの薬」を作ってほしいといいます。
どんなことに効くものが欲しいのかたずねると、「しあわせになれる薬」だと答える「マダム・ブルー」。いったいしあわせになれる薬なんてあるのでしょうか?悩んだ末に、ジャレットが選んだハーブと、「しあわせ」について出した答えとは?
魔法は使えないけれど、ハーブの効き目と人を思いやる優しい心で、魔法のように周りの人や動物たちからの依頼に誠意をこめて応えていくジャレット。セリフも印象的で、お話を通して、大切なことをさりげなく読む私たちに教えてくれます。さらに、お話の最後には、「ジャレットのハーブレッスン」コーナーがついていて、ハーブの知識が身についたり、お話の中に出てくるものが実際に作れる、というお楽しみも。
読み応えのあるお話に加え、ハーブ入門書としても楽しめる「魔法の庭ものがたり」は、小学校中学年ぐらいから大人の方まで幅広い年代の方におすすめしたいシリーズです。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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