ひっこみじあんな子に読んであげたい絵本ができました!
しろうさちゃんが、海辺のおばあちゃんの家で夏休みをすごすお話です。
しろうさちゃんは、はずかしがりや。すぐに隠れてしまいます。
ひさしぶりに会っただいすきなおばあちゃんからも……。
おばあちゃんは海辺の村でちいさなお店をやっています。
お店の中を見て回りたいけど、どこかに隠れたいしろうさちゃん。
ふといいものを見つけました。
「そうだ! あれ あれ、あの ダンボールばこが いいっ!」
目のところに穴があいて、中から外が見える箱。
耳や手が出るように、おばあちゃんが穴をあけてくれて、しろうさちゃんは「うさロボちゃん」に変身できちゃいました。
変身したおかげで、おばあちゃんとも少しお話ができます。お店の中も見て回れます。
しろうさちゃんはだんだんのびのび振る舞うようになっていきます。
アイスのカップと、木のスプーンを箱につけてもらって「うさロボちゃんスーパー」に変身!
さらにお店の文房具をつかって「うさロボちゃんスーパーデラックス」にバージョンアップ。
ピカピカしたものやスイッチがくっついて強そう!
変身場面はとってもわくわくする場面で、見どころのひとつです。
最初は隠れてばかりのしろうさちゃんでしたが、お客さんとおばあちゃんが交わす「ほいたらの」というあいさつもおぼえて、隠れずにいられるようになりました。
どんどん海辺の村に慣れていくしろうさちゃんがたのもしく、まぶしく目にうつります。
見守るおばあちゃんの、のんびりした雰囲気が素敵です。
個人的には、なつかしいおばあちゃんのまなざしや、見守られる小さな子どもだった幸福感がよみがえり、ぐっと胸に来るものがありました。
やわらかい絵柄の中に、内気な子の変化がていねいに描かれています。
「かわいい絵だから女の子向け」と決めつけず、男の子にも読んであげてほしい絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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