チーフさんは、ハンカチがだいすきなリス。
どうぶつや虫たちに、すてきなハンカチをつくってあげる、ハンカチやさんを営んでいます。
そんなチーフさんの今日のお客さまは、ハチのおかあさん。
100匹の子どもたちが、いっせいに1歳の誕生日をむかえるので、そのプレゼントにハンカチをつくってほしいとのこと。
でも、誕生日が3日後だっていうからたいへん!
さっそくデザインが浮かんだチーフさん、あかちゃんのおはだにやさしい、やわらかいガーゼの生地をえらんで……、
さあ、大仕事のはじまりです!
緑と花と、カラフルなハンカチのデザインであふれた、かわいい絵本!
ハンカチって、いろんなことに使えて便利だし、かさばらなくて、それぞれ個性があって――。
だからハンカチが好きだというチーフさんの気持ち、よくわかります。
いろんなデザインのかわいいハンカチがずらりとならんでいて、ながめているだけでも胸おどる、そんな作品です。
自分でハンカチをつくりたいというお客さんのために手ほどきするシーンでは、色々な柄の生地がずらりと並んだチーフさんの工房をのぞきみることができます。
そこからあたらしいデザインが生まれるのかと思うと、とってもワクワク!
今までにチーフさんのつくったハンカチが紹介されている場面も、そのどれもあざやかでユニークな一品ばかりで、楽しい気持ちになってきます。
さて、ハチの子どもたちにおそろいのハンカチをつくったチーフさんですが、実はつくったハンカチは全部で101枚。
1枚だけデザインのちがう最後のハンカチは、いったい何のために作られたのでしょうか……?
相手を想い、その人のためになにかを作るということ。
そして、自分だけのために生まれた、その大切なひとつを手にしたよろこび。
そんな気持ちを思い出させてくれる、あたたかな物語でもあります。
本棚に飾っておきたくなるほどかわいい、おすすめの一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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