けなげな3羽の子分をしたがえて、のっしのっしとお散歩中です。
さて、急に立ち止まって、こんなことを言い出した親分。
「わしも カモメさんのように じゆうにおおぞらを とんでみたい……」
カモメなら優雅に見えますが、うさぎが空を飛ぶにはちょっと工夫しなけりゃなりません。
子分たちは親分の願いを叶えてあげたいとがんばります。
まずは大きなゴムを持ってきて、木から木へと結びつけます。
そしてドン・ウッサとゴムを思いっきりひっぱり、手を離したら……!?
ビュッ!と大きな音がして、ドン・ウッサは見事空へ……でなく、一瞬ののちに森の中に、ドサ!
あわれ、ドン・ウッサ。木に逆さづりになっているところを子分たちに助けられます。
「カモメみたいに」は飛べなかったので、子分たちはさらにがんばります。
一方、ゴムのときもシャンパンのコルクに乗せられたときも「これ、だいじょうぶ?」と心配になる親分。
案の定、葉っぱまみれ、土まみれになりながら子分の励ましに「わし がんばる」と決意を述べます。
しかし……ほんとにドン・ウッサはカモメのように空を飛べるのか!?
ちょっぴりなさけないドン・ウッサと大まじめな表情の子分たち。
両者のかけあいが面白くてたまりません。
作者のキューライスさんは、漫画家、イラストレーター、アニメーション作家、絵本作家として多彩な活動をしているクリエーター。
カバーそでの前と後ろ、それぞれに四コマ漫画が描かれているのにもご注目ください。
夢を叶えるためにがんばるって素敵。でもめげない親分、もっと素敵!
ドン・ウッサは、次にどんな野望を抱くのか?
続編が待ち遠しい一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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