きみの小さな手と、ぼくの大きな手。
「さあ、なにをつくろう? 」
ぼくたちはやることだらけなんだ。
ありったけの道具を集め、組み立てたり、バラバラにしたりする。扉をつくって、家をつくる。時計をつくって、未来をつくる。ぼくがきみの、そしてきみがぼくの。これから生きていく時間を合わせるためにね。それから大きな穴や大きな壁や、テーブルも。
思い出をつくるための場所、隠れる場所、身を守るための場所や休むための場所。これから進んでいくための道だって必要だ。だけど、きみが本当につらくて困ってしまった時には……。
前作『ほら、ここにいるよ』に続き、オリヴァー・ジェファーズが贈るのは、不確かな未来を歩きはじめた全ての子ども達へ向けたメッセージ。だいじょうぶ、前へ進む道は一緒につくっていけばいい。計画を立て、疲れたら休めばいい。親と子は、手を取り合って生きていく仲間なのだから。
翻訳と書き文字を手掛けているのは、前作と同じtupera tupera。深い愛情を込めながらも、遊び心を忘れないユニークな作風が重なり、しっかりとその思いが伝わってきます。登場するキャラクターや小道具の一つ一つまでゆっくり味わって楽しんでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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