第二次世界大戦下のドイツ。「白バラ」という名の少女が住むちいさな町にも、戦争は確実にやってきた。
ある日、逃げようとする一人の少年をのせて走り去るトラックを目撃した「白バラ」は、そのあとを追う。町をはずれ、広い野に出て、見たこともない森へ。森のなかの切りひらかれたところで少女が見たのは、鉄条網をへだてたむこう側のおおきな木造の建物と、そのまえに立ちつくした、やせた子どもたちだった。風のつよい、寒い日だった……
甘さのみじんもない、しかし、リリカルな本当の“絵本”が、ここにある。「白バラ」という名の少女の記憶をとどめてほしい。この絵本を読んだら、あなたの心のなかに。
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