エジプト・ギザの台地に立つ3大ピラミッド。いったいいつ,だれが,なんのためにピラミッドをつくったのか? その永遠の謎に迫る。
2008年刊行。子育てしながら考古学を学んでいるカオリと、遺跡には全く興味のない娘ミドリ。古美術商をしながら、裏では遺跡泥棒をしている馬場と、ミイラの少年マミーが、エジプトの遺跡を巡りながらピラミッドの謎を追いかける。
古代エジプトの人々の死生観、宗教や生活、ナイル川の洪水と農業、国家事業や国の統治者の様子などが、生き生きと描かれる。漫画なので話を読んでいるうちに、エジプトの風景がしっかり心に残る。
ピラミッドが何のために作られてたのかは、いまだに解明されていないらしく、「墓」だとする人たちと、「墓ではない」とする人たちが議論・研究を重ねているようだ。
2つの意見を馬場氏とカオリさんが主張。どちらの主張もそれなりに説得力があり、読者もいろいろ考えて議論に参加してしまう。
一番確実なのは、作った本人に直接聞くことだが、それができないのが残念。後の時代の人が、盗掘に遭って荒らされた(とされる)遺跡から史料をもとに研究し続けて、結論を出そうとする。
涙ぐましい努力である。
将来、この問題に決着がついたら、ぜひともどうだったのか知りたい。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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