父の死を受け、親戚の家に世話になりたくない雨音は、ふりきった選択をする。それは幼い頃に家を出た産みの母に保護者になってもらうこと。「利用」「生きる術」とわりきり、自分の居場所を守ろうとする彼女がさわる幸せとは?
編集者コメント
絶妙なバランスで人間関係を保っていると思っていた雨音。
父を亡くし、父の婚約者との微妙な関係が生まれ、生涯会うはずのなかった産みの母との生活が始まった。家族とも友達とも恋人とも違う、どんな名前もつかない間柄との日々の中で、本来交わらないはずだった関係は、彼女らだけの糸で鮮やかに紡がれていく。
人と人との物理的な距離に対する考え方が一変している今、心の「間合い」を描いた物語。
いとうみくの野間児童文芸賞受賞後、YA第一作。
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