楽しみにしていたおでかけが突然なくなってしまうことは、子どもにとって、きっととてもつらいこと。
大人はその理由を理解できるから、我慢もできますが、子どもはなかなか難しい。
我が家でも、私と夫が仕事で息子の相手ができないとき、「ちょっと一人で遊んでてくれる?」とお願いすることがあります。
そんなとき、いつもではないのですが、息子は「一人で遊ぶの、つまんない」と不満そうに言います。
ふてくされる気持ち、よくわかります……。
でも、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれるのが、ステッチさん。
ステッチさんは、針と糸でなんでも生み出すことができます。
まるで魔法使いです。
チクチク チクチク
刺繍で大きなテントを描いたら、サーカスのはじまりです。
ステッチさんは、ジャグリングが得意なピエロ、火の輪くぐりのライオンなど、次から次へとショーをチクチクと出現させていきます。
つまらないからと、いつまでもふてくされていたら、本当につまらない退屈な時間になってしまいそうです。
でも、ほかに素敵なことを見つけることができたら、きっととても楽しい時間に早変わりするはず。
そんな風に気持ちを切り替えられたらいいな、切り替えるお手伝いをしてあげられたらいいなと思える絵本です。
作者のMICAOさんお手製の刺繍は、ほとんどのページに登場します。
様々な物や動物が、刺繍で生き生きと表現されていて、絵のみで描かれた絵本とは一味違った魅力があります。
ぜひ手に取ってページをめくってみてくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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