夜空に浮かぶお月様。毎日見上げていれば、その姿が日々変わっていくことに子どもも気がつきますよね。
新月に始まり、上弦の月、満月、そして明けの三日月まで。
ひとめぐり29日半の月の満ちかけの旅に出かけてましょう。
秋だと1時間、冬だと2時間という短さで沈んでしまう「三日月」を、昔の人は望みをかなえてくれる月として大切に崇めてきたのだそう。
満月が完璧な美しさを放つときははかない。世の中や人生と同じく、満ちていく直前の十三夜の月もまた、実に美しい。
19日目の月は「寝待月(ねまちづき)」。布団に入る時間まで昇ってこないから、寝ながら待つことにしたんだよ。
29日間の月にまつわるお話を読みながら、月明かりやその満ち欠けと深くつながっていた古代の人々のくらしに想像がふくらみます。
太陽を回る地球と月の関係や潮の満ち引き、日食や月食の不思議といった科学的な知識も、丁寧にわかりやすく解説されているんです。
「月のもようは、なにに見える?」日本ではうさぎがお餅をついている姿だといわれるけれど、「本を読むおばあさん」「吠えているライオン」・・・世界のほかの国々では全く違うものに映っているなんて、おもしろいですよね。
巻末には2021年までの月の満ちかけ表も付いています。
カレンダーも時計も便利だけれど、時には昔の人々のように月を見上げながら、この日この時をゆっくりと感じてみませんか。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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