赤、橙、黄色、緑、青、藍色、紫・・・色をテーマにしたお話が7つ。虹の七色です。
最初のお話は「あかいりんご」。
ひみつの木を持っているくま。その木になるりんごはとても甘くて美味しいのです。
りんごの実が熟すのをずっと待っていたくま、りんごが大好きなさるとおしゃべりなうさぎには内緒です。
ところがある日、うさぎがりんごを見つけて全部持ち帰ってしまいます。
りんごが大好きなさるとくまさんを呼んで、パーティーをしようと思ったのです。
怒ったのはくま。「ぼくのりんごなのに!楽しみにしていたのに!」顔をまっ赤にして叫びます。
「ごめんなさい。」うさぎのほっぺもまっ赤になります。
でも、今度はくまがもっとまっ赤っ赤。ひとりじめしようとしてたことが恥ずかしくなったのです・・・。
「だいだいの花」では、あふれるほどの花を前にして、みんなの心がぽかぽかになるお話。「みどりの葉っぱ」は、お互いを思いやる優しいお話。深くて美しい「藍色の夜」の下で寝転べば、みんなの心が落ち着いてきます。
こんな風に、それぞれの色に染まったきれいな風景の中で仲良しのくま、うさぎ、さるが怒ったり、はずかしがったり、嬉しくなったり、思いやったり・・・さまざまな気持ちを表していきます。色に溶け込んだ3人の表情はとても豊か。会話の内容もちょっとずつ違います。
色には不思議な力があるっていうのは、日常の中でも感じることがありますよね。
例えば黄色の服を着れば元気になるし、紫の風景の中では頭がすっきりしてきたり。
この絵本は、それぞれの色のパワーや魅力を感じながら、気持ちをお互いにちゃんと伝えられる幸せを感じる1冊。
色を愛する真珠まりこさんのワクワクが伝わってきます。
さて、最後に登場する一番まぶしい色はなんでしょう!?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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