「おかあさん、いたい いたい。いたいよお!」
転んじゃったなみちゃんは、こらえきれなくて泣いています。
そうだよね、痛いもんね。泣いちゃうよね。
…でも、こんな時おかあさんだったら泣くのかな?
「おかあさん、大人だもん。転んだくらいじゃ なかないよ。」
ほんとに?
そういえば子どもの頃、おかあさんが泣いているの、ほとんど見たことないかもしれません。
どうして大人だと泣かなくなるのでしょう。なみちゃんは不思議だから考えます。
「すっごくいたい注射をしても、なかない?」
「おばけに であっても?」
「おさいふ おとしても?」
「なみが病気になったら?」
次から次に出てくる質問に、おかあさんは優しく答えます。
「おかあさんは、どんな時でもなかないよ!」
泣いている暇なんて、ないんだって。おかあさんは続けて考えます。
「でもね、もしもなみちゃんが…」
おかあさんの目から涙がでるのは、どんな時なのでしょう。
なみちゃんの視点から見るおかあさんは、優しくて強くて、頼もしくて大好き!
おかあさんから見たなみちゃんは、小さくて、可愛くて、とても大切で…。
会話からあふれ出てくるお互いを思う気持ち。
丁寧に丁寧に描かれたふたりのやりとりを、親子で一緒に読んでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む