オーケストラのコンサート。ちょっと敷居が高そうでなかなか自分から足を運ぶ気になれない人も多いのでは?・・・実は私もその一人です。
息をするのも緊張しちゃうほど静かなホールの中で、演奏される曲名は難しそうだし、音の良し悪しも素人にはよくわからないし、ましてや子どもなんて絶対に連れて行けそうにないし。
そんな先入観を持っている人こそ!この本で「オーケストラのとびら」を開いてみませんか?
奥深いオーケストラの世界へ私たちをナビゲートしてくれる山田和樹さんは、文化庁芸術祭賞をはじめ数々の音楽コンクールで入賞し、世界の名だたる交響楽団から引く手あまたの、新進気鋭の若手指揮者です。
そんなすごい方が書いた本、ちょっとドキドキしながら飛び込んでみたのですが・・・何も知らない初心者にも「オーケストラってなぁに?」という基本の基本からわかりやすく解説してくれます。
指揮者の仕事やオーケストラを構成する楽器の話はもちろんのこと、交響曲、協奏曲、組曲といったそれぞれ曲の違い。
コンサートが始まるまでの舞台裏には、会場準備や演奏会の進行を行うステージマネージャー、演奏に使う楽譜を用意するライブラリアンなど、演奏者を支える人たちがたくさんいること。
オーケストラの音楽は、指揮者、演奏者、舞台を支える人たち、そして観客が一体となって奏でているものなんですね。
「指揮者になってみよう」なんて企画も楽しいですよ。
一番大切なのは「良い音を演奏者から引き出して音楽をまとめること」。
演奏の強弱を指揮棒の振りで表しながら、片方の手のひらを上に向けたり下に向けたり、握りこぶしを作ったりしながら、音にさまざまな表情をつけていくのです。
思わず真似して手が動き出したら、気分はすっかり指揮者。楽器たちの音色が聴こえてきたら、さぁ全身で音楽を表現してみましょう!
・・・こんなふうにこの本を楽しみながら、気がつきました。
とっつきにくいイメージを持っていたのは、オーケストラのことを知らな過ぎたから、なんだ。
読むうちに自然と美しい旋律が聴こえてくるような、音楽と仲良くなるきっかけをつくってくれる一冊です。
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
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