ツバチたちのくりくりとしたキュートな目。
優しくたたずむお花たち。
どのページもテキスタイルになったら、ワンピースを作りたくなるようなかわいさで、はちみつのように優しくてあまい色合いに、うっとりとした心持になります。
そして、絵に寄りそうのは、青山南さんのリズミカルな言葉たち。
さがしてるんだ、
ねらってるんだ…
はねまわって、
とびまわって、
とびこんで、
のぞきこんでます。
ブーン、とびます!
ブーン、とばします!
読んでいるうちにだんだん気分がのってきて、気が付くとまるで舞台俳優にでもなったかのように、情感たっぷりに読み上げていることでしょう。
そして、読み終わったときにみなさんが思うことのひとつは、
「ミツを集めるミツバチの大変さ」ではないでしょうか。
でも、「フーン、ミツバチって大変なんだ」で終わらないのがこの絵本。
生きることのうれしさや、みんなでいるときの穏やかな気持ちを感じて、
湧き上がってくるあったかい気持ちにも気が付くはずです。
外でミツバチに出会ったら、そっと見守って応援したくなる一冊です。
(近野明日花 絵本ナビライター)
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