むかしむかし、立派な騎士を夢見て騎士の見習いになった男の子のお話。
みならい騎士のスナッフは、住みこみで騎士のサー・トーマス・マグパイのお世話をしています。
サー・トーマスの身の回りのお世話をしながら、空き時間に騎士になるためのレッスンを受けているのです。スナッフ本人は大真面目。一生懸命やっているはずなんだけど何をやっても失敗続き。憎めないけどなんだか冴えない男の子なんです。
ある日、二人は森のブーツ屋さんが4人組のブーツ泥棒に襲撃されているところへ遭遇します。
さあ、ここは騎士サー・トーマスの出番?いえいえ、ここでの主役はみならい騎士スナッフ!
誰もが驚く鮮やかな方法でブーツ泥棒を見事に追い払ってしまうのです!
昔のヨーロッパを舞台に、騎士ではなく見習いの男の子の活躍を現代的なセンスで魅力的に描いたのは、
ロアルド・ダールさん作『チョコレート工場の秘密』の挿し絵で有名なイギリスの児童文学作家クエンティン・ブレイクさん。谷川俊太郎さんの翻訳がついたこのシリーズは、ブレイクさんお得意のユーモアたっぷりの人情劇が光るどこか懐かしい世界。
例えば、スナッフがお世話してる騎士のサー・トーマス。
名前は大変立派だけれどお金が無いので、ブーツはネズミにかじられてばかりだし、スナッフに見習い騎士用の馬を持たせる余裕もないからお出掛けの時はいつだって痩せっぽちの馬に二人乗り。
なんだか可笑しな師弟関係なんだけれど、気付けば微笑ましい仲良しコンビにすっかり魅了されちゃいます。
そして注目すべきは森の靴屋さんのブーツ!スタイリッシュでカラフル!ブレイクさんならではのユニークなデザインのブーツがたくさん登場しますよ。
さて、素敵なブーツを使ったスナッフの泥棒撃退法なのですが、それは絵本を読んでのお楽しみに!
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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