「しずかな ふかい もりのおくで、クリスマスが はじまろうと しています。」
ゾウが長い鼻で大きなもみの木を運んできました。
赤い鳥のカーディナルが森のどうぶつたちに告げてまわると、
どうぶつたちが集まってきて、もみの木を、木の実やまつぼっくりで、丁寧に飾りつけます。
夜空にひときわ輝く星が現れると、
どうぶつたちはその金色の星に祈りをささげて…。
レナード・ワイスガードの描く、美しいクリスマス絵本。
鮮やかな色彩と細やかな筆致で、もみの木の葉、どうぶつたちの毛並みのひとすじまで、いきいきと描き出します。
クリスマスが訪れたこの森で、動物たちは、吠えたり騒いだりしません。
オオカミはシカを助け、ライオンとヒツジが顔を寄せて仲良く眠ります。
平和な光景と、添えられる言葉のひとつひとつも優しく穏やかで、ページをめくるたび、ゆったりと心がほぐれていくようです。
聖夜を喜び祝う心が静かに伝わってくる、クラシカルな魅力あふれる絵本。
クリスマスの神聖な雰囲気はありますが、宗教的な難しい要素はないので、小さな子どもたちから楽しめます。
クリスマス時期、おやすみ前の絵本にもぴったりの一冊です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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