きょうは幼稚園の芋掘り遠足。みんな楽しみにしていたけれど、しろうくんだけはちがったみたい。
しろうくんが1人でこっそりぬけだして休んでいると、先生が声をかけに来ました。
「しろうくん、みんなといっしょにいもほりしましょう。いつまでもすわりこんでいると、おしりにねっこがはえちゃうわよ」
先生に見つかってあわてたしろうくんが、何と答えたかと言うと…。
「ぼく、いもほりしてるんだよ。おしりのねっこが、つちのなかのいもをさがしてるんだ」「ぼく、だれよりもおおきないもをみつけてみせるさ」
先生は「まあ!」「それじゃあがんばってね」と行ってしまい、しろうくんは、これでのんびり昼寝ができる、と喜びますが…。
なんと、しろうくんが言ったとおり、しろうくんのおしりからは「にょろり」と本当に根っこがはえてきます!
いもをさがして、ずんどこ、ずんどこ、土の中を進んでいって…。
しろうくんのおしりのねっこ、どうなっちゃうのかな!?
その場から動けなくなることを「尻に根が生える」なんて言うことはありますが、まさか本当におしりからねっこが出てくるとは!
おまけに大きな芋も見つけちゃうなんて、すごいねっこです。
地面の中をぐんぐんのびていくおしりのねっこと、地中でも芋狩りに出かけるもぐらの子たちが描かれ、ほのぼのとした展開かと思ったら…びっくり!
もぐらにかみつかれたら痛そうだけど、しろうくんは痛くなかったのかな?
カラフルで勢いのある絵と、意外なお話をどうぞお楽しみください!
最後は、地中も地上もお芋がいっぱい!みんなうれしそう。
前見返しには幼稚園児たち、後ろ見返しには「もぐらようちえんごう」(大きなお芋!)に乗るもぐらたちの絵が描かれます。
みんなのお名前が載っているので、どれがどの子か、キャラクター探しも楽しんでくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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