オニガシマラソン——
それは、古今東西のさまざまなモンスターたちが一堂に会し、ナンバーワンを決める大レース!
出場選手は、ゾンビに天狗、ミノタウロス!
ウェンディゴ? チョンチョン? アンドラス?(だれ?)
それから、バナナの皮に、毒キノコ!?
その数、あわせて50名!!
レース開始の合図と同時に——
竜は火を吹き、ゾンビはかみつき、魔法に、ツノ突き、冷凍ビーム!!
む、むちゃくちゃだぁ〜!
はたして完走できる選手はいるのか!?
いったいだれが一位になるのか!?
前代未聞のレース、開幕!
大人気「おしりたんてい」の生みの親、トロルさんが描く、モンスターたちのドタバタ大勝負!
かわいいモンスターデザインと、彼らがどちゃどちゃと入り乱れるにぎやかさを楽しみながら読んでいたら……。
「あれ、あの選手どこにいったろう?」
スタート直後でメドゥーサに石にされてました。
「なんだかこの選手、スタートしたときと、ようすがちがう……」
前のページで、ゾンビにかまれてゾンビ化してました。
同じページで同時にいろいろなトラブルが発生し、それがのちのちまでレースに影響するものだから、
「いったいなぜこの選手はこんなことに!?」
と気になって、ページを行きつ戻りつ……
それがオモシロくって、ぜんぜん先に読み進めない!
なるほど、これは絵探し絵本なのだ! と読み方をあらため、じっくり腰をすえて読み進めると——
まさかあなたが!? 意外な選手が金メダル!
と思ったら、だれもが納得の乱入者があらわれて、表彰式は大混乱!?
最後の最後まで目が離せない、歴史にのこる名レースでした。
人面犬の宝探しや、乱入者の冒険など、レースとは関係のない部分にも、楽しい仕掛けやイラストがいっぱい!
すべてのページに、おどろきと笑いがこれでもかと詰め込まれた、おすすめの一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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