ぼくのおじいちゃんは、だんだんとしをとってきた。
ときどき、ひとりでいるとさみしくなったり、ぼくのことがわからなくなっちゃうこともある。
でも。そんなときがぼくの出番!
ぎゅうってすれば、ほら大丈夫。
ぼくがおじいちゃんに教えてあげたり、おじいちゃんがぼくに教えてくれたり。
おじいちゃんがいれば、ふたりで冒険だってできる。
おじいちゃんは、ほんと子どもみたいな時もあるし、へんなことしちゃうこともある。
でも、それがぼくのおじいちゃん。だいすきだよ・・・。
クマのおじいちゃんと孫のぼく。ふたりの日常を描きながら、その特別な関係を優しく描き出します。
年をとれば誰もが「老い」てきます。今まで出来ていたことが出来なくなったり、がんこになったり、耳が遠くなったり。家族との関係性も少し変わってきたりします。どういう対応をしていいか、わからなくなったりすることだってあるかもしれません。自分の親だって同じです。
だけど、ふと見ると誰よりも自然に接しているのが息子だったりします。
息子にとっては、年をとった今のおじいちゃんが大好きなんですね。
おじいちゃんにとっても、孫は大事なお友だち。頼ったりすることだってあります。
そうやってお互いを必要としているからこそ、一緒の時間を豊かにしていけるのでしょうか。
とっても愛らしい絵で、一緒に手をつないで歩いたり、遊んだり、ぎゅうっとしているふたりの様子を見ていると、こちらにまで優しさが伝わってくるようで、幸せな気持ちになってきます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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