何てラブリーな表紙でしょう!
美しいドレスのおひめさまが、冠をつけて、おすましをしています。
このかわいい女の子はだあれ?
お友達はみんな、いつかおひめさまになりたいっていうの。
でも、あたしはもう おひめさま。
だって、おばあちゃんたちに
「ももか おひめさま」って呼ばれているんだもの。
お庭でおはなのかんむりをかぶったら、
あたしは たちまち、おはなばたけの おひめさま!
ひみつのかがみをのぞきこむと…
今度はどんなおひめさまに?
小さな女の子の、お姫様になりたい! おとなっぽくなりたい!という夢を、ファンタジックにあたたかく描いたこの作品。女の子っていいなと、まっすぐに歌いあげるようなストーリーです。ももかちゃんは、本で読んだお姫様のおとぎ話を、次々自分を主人公にして空想していきます。
いしづちひろさんが書かれたももかちゃんのセリフは愛らしく自然で、空想をいっぱいする時期の女の子そのもの。そして、あみなかいづるさんのおしゃれでロマンチックなイラストがぴったり! まるで甘いお菓子のような世界観で、幸せを感じさせてくれます。ため息が出るようなお花畑のシーンや、お姫様のドレスのすばらしさに、女の子たちはこんなドレスを着たいと憧れてしまうかもしれませんね。絵本を楽しんだあとは、お子さんの名前に「おひめさま」をつけて呼んであげたり、「どんなお姫様になりたい?」と、会話もはずみそう。小さな女の子の夢見る気持ちを見守り、大切にしてあげたいですね。
(長安さほ 編集者・ライター)
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