食いしん坊な犬のハロルドは、お気に入りのイスの上で、おいしいものの夢を見るのが大好き。
ある日、お気に入りのイスがなくなっていることに気づいたハロルドは、そのゆくえを追って街に飛び出した!
でも、イスも見つからないし、道にも迷うし、おまけにお腹も空いてきて……。
……あれ?
なんだか、街ってすごくおいしそう!?
おなかが空いているときって、食べものがなんでもおいしく見えてきたりしますよね。
しかし、くいしんぼうのハロルドにいたっては、食べ物でないものまでおいしそうに見えてきてしまうのです。
ウエハースの階段。
パイの時計。
そして、マンホールのふたはワッフルに!
街の風景のイラストに、ケーキや果物や野菜など、食べ物の写真をコラージュすることで、腹ぺこのハロルドが見た「おいしそうな」光景を描き出す本作。
ドーナツのクッションやホットケーキのイヤリングなど、リアルな食べ物をかたどったデザインのアクセサリーやインテリアがありますが、ついつい誰もが「おいしそう」には惹かれてしまうものですよね!
「おいしそう」があふれるハロルドの世界も、やっぱり眺めているだけでもワクワクしてしまいます。
でもやっぱり、チャーミングなハロルドの姿が、この作品のいちばんのみどころ!
足が短く、きょとんとした顔をしていて、食べることと寝ることばかり考えているハロルド。
そんな彼を描いたイラストのひとつひとつが、どれも抱きしめたくなるようなかわいさなんです!
他にはない独特の魅力で楽しませてくれるとってもキュートな一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
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