ぼくの名前はマイマイ。
南太平洋に浮かぶちいさな島に住んでいます。
ある日、ルーシーという名の女の子とそのママが、旅行にやってきました。
やしの木かげで、タブレットで魚を見ているルーシーに、マイマイは「それ、クマノミだね。ぼく、ほんもののクマノミがいるとこ、しってるよ。みせてあげたいなあ」と言います。
マイマイはル—シーを連れて、浜辺に立つトーテムポールの間を過ぎ、ジャングルみたいな木々の間を通り、引き潮の浜を歩いて……とっておきの場所に案内します!
島のこと、海のことをよく知っているマイマイ。
ヤシの実をとってルーシーに飲ませてあげたり、あかちゃんザメに触らせてあげたり。
もちろん、触っちゃいけない生きもののことも教えます。
不安そうなルーシーが、だんだん生き生きした表情になっていく場面は見どころです。
一年中、おひさまが燦々と輝くこの島で暮らすマイマイの家族。
カヌーをあやつるお父さんや、島のおもてなし料理をふるまうお母さん、食卓のごちそうも素敵!
表紙に描かれている、マイマイがほら貝を力いっぱい吹く場面は、マイマイがとってもかっこよく見える場面の1つです。
マイマイにとっての島や海と、ルーシーが初めて体験する島と海が、あたたかな目線で両方織り込まれ見事に描かれています。
国内海外あわせて70冊以上の絵本を出版しているパリ在住の市川里美さんが、南太平洋の島の自然や、そこで暮らす少年と出会う少女の感動を描いた作品。
あたたかな海に飛び込んでいきたくなる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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