「か、か…わい…」
「ほんとだね、パウル。かわいい おはな…?」
じゃなくてね。
パウルが可愛いと思ったのは、お花の横に落ちていた空き缶!
パウルは、おしゃべりがちょっと苦手。思っていることや感じていることを、相手に上手く伝わる前に、まわりのみんなに誤解されてしまうことが多いのです。
だけど、パパやママは発見します。
「パウルは絵がとっても上手」
絵を描くことで、パウルが見ているもの、感じていることがみんなに伝わるのです。今日のお昼に食べたいのは、オムライス。きれいだなって心を揺さぶったのは、沢山の石ころの模様。そうなんだね、パウル。みんなの顔だって魅力的に描けちゃいます。それって、とっても素敵な特技!
例え苦手なことがあっても、好きなことや、得意なことで表現することができたパウル。大事なのは、その事を本人が自然に受け入れること。まわりのお友達や家族がきちんと見守ってあげられることなのかもしれません。そうやって、お互いが少しでも幸せな気持ちになることができたら、こんなに嬉しい社会はありませんよね。
だれもが必要とされている、大切にされている。
そんな優しい世界を、みやざきひろかずさんが描き出してくれました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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