深い森のはずれにある美しい音楽の流れるたてもの。
中では、白いチュチュを着た女の子たちが音に合わせて踊っています。
「わたしも おどりたい…!」
窓の外からのぞいた途端、ひと目で魅せられてしまったのは、なんと小さな白いこうさぎ。思わず扉をたたき、中に入っていくのです。
驚いたのはバレエの先生、だけど彼女はこうさぎを招き入れます。
そして、場所をつくってレッスンを一緒に受けさせてあげるのです。
さあ、こうさぎのダンスが始まりますよ。
音楽にのってアン、ドゥ、トロワ♪
…なんて愛らしいのでしょう!!
手足の短いこうさぎは、みんなと同じように出来ない事が沢山あるけれど、ジャンプだけは誰にも負けません。なにせ、うさぎですからね。
そんな楽しげな様子を見て、他のこうさぎたちも教室に集まってきます。
こうして真っ白なこうさぎの小さな勇気は、まわりを巻き込んでいき、やがて信じられないほど美しい場面へと導いていき…。
ダンスに憧れる全ての子どもたちに。幻想的で美しいものに強く惹かれる子どもたちに。そのイメージをどこまでも広げてくれる珠玉の1冊が誕生しました。私もすでにこのこうさぎの虜です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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