大きな体、大きな耳、長い鼻。
陸でいちばん大きなほ乳類、ゾウ。
動物園の人気者で、子どもたちの憧れでもあり。
そんなゾウは、野生の中ではどんなふうに生きているのでしょう。
彼らはとても頭がよくて、記憶力がすごい。
遊び好きで、楽しいことが好き。
皮ふはかたくて革のように見えるとしても、とても繊細で敏感。
足のうらは平らに見えるけど、実はつま先立ちをしている!?
耳は、キバは、鼻は、家族は……?
子どもの視点で次々にゾウのあれこれを教えてくれるこの絵本。そのダイナミックな体のつくりに、迫力の生態に、思いもかけない繊細さに、だんだんと誇らしい気持ちになっていくのは大人の私も同じ。
だって、自分が大好きな動物がどんなにすごいのか、どんな驚きの特性があるのか、そういう話をひたすら並べてくれるのです。わかりやすく、身近な視点で、かっこよく。これはもう宝物になりますよね。
だけど、この絵本が伝えてくれるのは、それだけではありません。地球におけるゾウの役割はとても大きく、大切なもの。それなのに絶滅の危機にあるのです。どうしたらいいのでしょう。
まずは興味を持って知ること。そして何ができるのか考えること。彼らのことを思い出したら、何度だって絵本を開いてみればいいのです。図鑑とはまた違う、特別な魅力のある1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む