新品のクレヨンたちは、ある日、ルーカスのものになりました。 さっそくルーカスは、黄緑色のクレヨンで草を描き、 茶色と緑色で木を描き、ピンクでその木に花をつけました。
夏になると、ルーカスは、水色と青で、海に浮かぶヨットを描きました。 ハロウィンには、オレンジや赤や黄色で絵を描きました。 ルーカスはいろいろな絵を描いて、クレヨンたちはどんどん小さくなっていきました。
でも、白だけは一度も使ってもらうことがないままです。 それなのに、ルーカスは 「みんな みじかくなってしまったから、あたらしいの かって」とママに言ったのです。
フリーマーケットに出されてしまったクレヨンたち。 もらい手がなかなか現れず、涙が出そうになったとき、ひとりの女の子がクレヨンの箱をのぞきました。 「わたしの ほしかったクレヨンが あるわ!」
色とりどりのクレヨンに、子どもたちはワクワクしますよね。その中で、なかなか出番の少ない白ですが、実は、白だけにしか描けない絵があるのです。 丸山陽子さんが、絵を描く喜びに満ちた子どもたちの表情をあたたかく描いていて、読んだあとは心もあたたかくなります。
(絵本ナビ編集部)
クレヨンたちは待っていました、箱の中で。じぶんたちが、 どんな子のクレヨンになるのかなと。 手に入れたのはルーカスという男の子。ルーカスは、木や花の絵、海やボート、ハロウィンのかぼちゃや魔女の絵など、 いろんな絵をかきました。 使われたクレヨンはみんな短くなって、とってもうれしそう。 でも、白いクレヨンだけは一度も使われることがなく……。 子どもたちにとって身近なクレヨンが主人公。「白いクレヨン」という目立たない存在が活躍する様子が共感をよびます。愛らしい絵も魅力的な、心あたたまる絵本です。
クレヨンで描かれた、クレヨンのための絵本だと思います。
白いクレヨンはなかなか出番がありません。
他の色がちびて、クレヨンセット処分されようとした時も、使われないままでした。
だいたいのクレヨンで、白は寂しい思いをするのでしょう。
でも、その白を求めている女の子がいました。
こんな使い方があったのですね。
白を使った絵に、ウットリしてしまいました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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