いつも文句たらたらのおばあさん。お日様が出たと文句を言い、雨が降ったらまた文句。やさしい顔になるのは、お菓子をつくるときだけ。とうとう町の人たちは、おばあさんを避けるようになりました。ところが、ろばのパン屋さんのおかげで、おばあさんのつくったおいしいケーキが評判になり、おばあさんのまわりは急ににぎやかになります。そんなある日、孫のサエがおばあさんの家にやってきます。サエとの暮らしの中で、少しずつ絆を深めていくおばあさんは、慣れない毎日に疲れがたまっていたのか、怪我をして寝込んでしまいます。どんどん不機嫌になるおばあさんですが、サエという存在に次第に元気を取り戻し、サエにも、あのお菓子をつくるときのやさしい顔でほほえむようになるのです。子どもも大人も、大好きなおばあちゃんに会いたくなる童話です。
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