くろねこくろちゃん、小鳥を追いかけて小さな穴に飛び込んだら・・・
「にゃ、にゃ?ぬけない。」
大変!ちょっとこの穴はくろちゃんには狭すぎたみたい。体がはさまって動けなくなっちゃった。
「ふんにゃー!ふんにょーん。たすけてー。」
なんとか、かんとか、くろちゃんは自力ではいずり出したのはいいけれど、
「にゃ にゃ にゃっ!」
にゃんと。くろちゃんの体はながーくながーく伸びちゃった!!
さあ、こんな時。皆さんだったらどうしましょう。
こんな胴が長いねこなんて見たことがない。恥ずかしいから隠れちゃう?
かっこつけようにも、かっこつかないから泣いちゃうかも?
だけどくろちゃん、混乱する間もなくなぜか家族からひっぱりだこ。
「ちょうどいいわ。ものほしざおになってちょうだい」とママ。
「すべりだいに なってみて!」っていうのは子どもたち。
まったくもう・・・ぼくをにゃんだと思っているんだ!
でも。
ハンモックになったり、つりざおになって海に飛び込んでみたり、意外にこの体も悪くない!?
トンでもない目にあうくろちゃんだけど、表情の変化に注目。
ちょっと体はヘンテコだけど、家族がみんな嬉しそう。ぼくだってなんだか自信が出てきちゃった。
便利だしね。そんなわけで、ながーい体を受け入れたら、とっても幸せそうなくろちゃんなのでした。
ところで、くろちゃん。ずっとこのままなのかな・・・!?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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