「えーい!」「いてて…… やったな!」
森のなかで、あまがえるくんとあかがえるくんがケンカをしています。
とのさまがえるくんが理由をきくと、二人はお互いに、相手がやったことを言いはじめました。
「このほっぺたみてよ! あかがえるくんがひっぱったんだ」
「ちがう! そのまえにやったのはあまがえるくんじゃないか」
相手がどんなひどいことをしたか。
どっちが先に手を出したのか。
あまがえるくんとあかがえるくんの言い合いは、いつまでたっても終わりそうにありません。
そこへひゅーっと風がふいてきて……!?
『はなすもんかー!』『カエルくんのみずたまり』『カエルくんのおひるね』につづく、カエルくんシリーズ4作目。
シンプルなやりとりの繰り返しのなかに、大人もドキッとするユーモアを含んだ目線が織り込まれ、そのバランスが秀逸な宮西達也さんらしい絵本です。
「自分は悪くない! 悪いのはあいつだ!」なんて、人はよく、相手だけを責めるけれど……。
このお話のように、ニヤッとしちゃう誤解から生まれるケンカだって、ある、ある。
あまがえるくんとあかがえるくんのケンカが収まったのは、根気よく両者の意見を聞いてくれたとのさまがえるくんのおかげです!
きょうだいゲンカでも、友だち同士のケンカでも、夫婦ゲンカでも!?
最後はあまがえるくんとあかがえるくんのように、笑って仲直りしたいですね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
続きを読む