朝の7時。オオカミさんはくろつぐみの声で目が覚めます。
「オオカミさん、いまなんじ?」とくろつぐみ。
「くろつぐみを やきこんだ パイを たべる じかん」と眠そうにオオカミは答えます。
朝の8時。オオカミさんはまだベッドの中。ご近所のこぶたさんたちはもうお出かけのようです。
「オオカミさん、いまなんじ?」と3匹のこぶた。
「こぶたの ベーコン・サンドイッチを たべる じかん」と迷惑そうにオオカミはつぶやきます。
オオカミの朝から夜眠りにつくまでの1日を描いた可愛らしい絵本。
実は、「オオカミさん、いまなんじ?(What’s the Time, Mr. Wolf?)」という
海外では子ども達に馴染みの深い鬼ごっこが絵本の元になっています。
この遊びでは、鬼ごっこを始めるまでの鬼役のオオカミとそれ以外の子ども達とのかけひきがとても楽しいのですが、絵本ではオオカミがご近所さんの問いかけにたいしてウィットに富んだ返事をかえてしていくのです。時間と共に物語も思わぬ素敵な方向に展開していき、読み終わった後はなんだか幸せな気分になるのです。
デビ・グリオリさんの描く美しい絵はの世界は眺めているだけでもうっとりしますが、
実は物語に登場するオオカミのご近所さんもみどころの一つ。
3匹のこぶた、3匹のくま、赤ずきんちゃん、人魚姫、ハンプティ・ダンプティなどの
おとぎ話の有名人たちがさらりと次から次へと脇役として登場するのもたまりません。
物語を楽しんだり、知っているおとぎ話の登場人物を探してみたり、時間を覚えたり。
楽しみ方は読んだ人の数だけありそうな遊びがギュッとつみこまれた絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
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オオカミさんの一日を丁寧に追った、ゆったりとした絵本です。7時にはクロツグミがやってきて、8時には近所のひとたちが出かけていって…。おとぎ話に出てくるキャラクターたちとオオカミさんとのやりとりもおもしろく、子どもだけでなくおとなもきっと気に入る絵本です。気持ちよさそうにうたた寝をしているオオカミさんの表紙は、思わず手にとりたくなります! お話の中に出てくるおとぎ話のキャラクターは、「6ペンスのうた」より24羽のクロツグミ、3びきのこぶた、3びきのくま、あかずきんちゃん、かえるのおうじ、人魚姫、ティンカー・ベル、ハンプティ・ダンプティなどなど…。何度も何度も読んで楽しめる一冊です。
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