ペンギン、恐竜、おばけまで!
いろいろなたまごの「たまごにいちゃん」を描いてきた本シリーズ、16作目の主人公は人間の男の子!?
絵本『たまごにいちゃん』が大好きな男の子、たまおくん。
ある日、たまごにいちゃんに憧れるたまおくんのために、お母さんが「卵のカラのマスク」を作ってくれます。
マスクをかぶって、たまごにいちゃんになりきるたまおくん。
『たまごにいちゃん』の物語をまねて、弟を背中にのせたり、いろんなところにもぐりこんでかくれんぼをしたり。
そこに友だちのかっくんがやってきて、ふたりでたまごにいちゃんごっこをすることになります。
「より登場人物にシンパシーを感じることによって、物語の本質を知る手立てにもなる」
作者のあきやまただしさんはそう語っています。
本作はまさしく、シリーズ1作目『たまごにいちゃん』をより深く楽しみ、その物語にある学びを知るための一冊!
たまおくんは、「たまごにいちゃん」を楽しむ読者自身の姿です。
たまごにいちゃんはどんな気持ちでいたのか?
物語の中で何を感じ、どう変わっていったのか?
たまおくんといっしょに、たまごにいちゃんの物語をなぞることで、きっとあたらしい発見があるはず。
絵本『たまごにいちゃん』では、石にぶつかってカラを割ってしまった、たまごにいちゃん。
でも、たまおくんがそのカラを失ったのはもっと別の理由で……。
「うん、きみ わるくないよ」
たまごにいちゃんの言った台詞が、改めて頼もしく感じられてきます。
(堀井拓馬 小説家)
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