フランス、ドイツ、イタリアなど世界各国で翻訳されているオームラトモコさんの絵本です。
たかーい木の上に住むなまけものくんは、めったに木からおりません。
でも暑い日に水浴びをしたくなり、ゆっくりゆっくり、木をおりはじめます……。
縦長の絵本を、さらに縦開きで読む絵本。
「たかーい木」を少しずつおりていく展開が子どもに人気です。
ロングセラーの『おおきなきがほしい』は主人公の男の子が木をのぼっていきますが、こちらの『ゆっくりゆっくりなまけものくん』はおりていくところが新しいですよね。
なまけものくんがおりていく地上はどんなところなのか、わくわくします。
なまけものくんは、おりていく木の途中で、ワシさんやムササビさん、サルさんたちに「ひさしぶり! どこいくの?」と声をかけられます。
「みずあびに いくんだよ」と答えると、みんなは「いいねえ ぼくたちもいこう」とさっさと木をおりていってしまいます。
でもなまけものくんは、ゆっくり、ゆっくり。
さあ、どうやって地面におりるのでしょうか。
お楽しみは、最後に無事水浴びをしたなまけものくんが、木の上にもどる場面。
全体を広げると4ページ分にもなるしかけページです!
「わーっ」と思わず声があがるダイナミックな場面、ぜひ実物を見てくださいね。
動物がいっぱい登場しますから、動物好きな子どもたちにおすすめ。
わが家では、動物がせいぞろいの水浴びのページもお気に入りでした。
気持ちよさそうな感じがたまりません。
暑い夏の日に読んであげたくなる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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