「すばらしい!うわさどおり りこうなインコだ」
ゆいちゃんとたっちゃんがインコのテンちゃんに言葉を教えて遊んでいると、帽子と衣を着たへんなとりが窓をあけて入ってきた!!なんでもカケスてんぐと言うらしい。てんぐ・・・!?
テンちゃんは、てんぐのがっこうの生徒としてスカウトされているのです。
「わあ すごーい!」
ふたりは大喜びでテンちゃんをインコてんぐとして、てんぐがっこうに通わせることにしました。
テンちゃんは、家に帰っても言葉を覚えたり、本を読んだり、風に向かって飛ぶ練習をしたり、重いものを運ぶ練習をしたり、それは一生懸命です。立派なてんぐになって、まちのパトロールをするのです。
やがて、人助けの練習がはじまったテンちゃん。輝かしい活躍をするのですが、ある日テンちゃんの身に・・・。
やぎたみこさんの新作絵本、今度の主人公はまたまた予想だにしていなかった「インコてんぐ」。ひたすら可愛いテンちゃんですが、てんぐの姿も案外さまになっているのです。
そして、何より鳥を愛する方たちにはたまらないのが集合場面。ハヤブサてんぐ、ヤマセミてんぐ、アホウドリてんぐ・・・ハシビロコウてんぐまでいる!!
てんぐとなった鳥たちは、まちの人が困っていたらお手伝いをし、けんかを止めたり、迷子の犬を見つけたり。こんな風に鳥たちと共存できたらどんなに楽しいだろう、なんて作者と読者の大きな夢が重なります。
パトロールのお仕事は、時には危険な目に合う事だってあります。ゆいちゃんとたっちゃんもちょっと後悔したりして。でもね、テンちゃんにはもう、たくさんの仲間と大きな誇りを手に入れているみたいですよ。皆さんも、絵本のなかの立派なてんぐたちの姿を見に来てみてくださいね。うちの子もてんぐに・・・なんて方もいるかも?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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