マンドリルおじさんは悩んでいます。最近くさいおならが止まらないせいで、みんなと遊べないのです。
心配した 子ぞうが、「おならなんて、みんな くさいから、きにしなくて だいじょうぶだよ!」と慰めましたが、実際マンドリルおじさんのおならは嗅ぐとうずくまってしまうほど臭いのです!
けれどもやさしい子ぞうは、「たまっている おならが ぜんぶ でちゃえば、きっと もう でなくなるよ!」と励まして、おならを出し切ることを勧めます。
やってきた他の動物たちも加わって「ぼくも、からだの なかにある くさい おならを ぜんぶ そとに だしちゃいたいな」 と、おしりをふりふり、こしをくるくる。
「おならよ おなら、はーやく でろでろ はやくでろ!」
おならって音が出たり臭かったり、人前で出ちゃったら、はずかしい。でも、うんちおしっこに次いで、こどもにとっては、やっぱり大切で興味深い生理現象ですよね。このお話のなかで「おならはみんなくさいもの」。それが当たり前なのがいいなあと思います。ここにあるのは元気いっぱいのおなら。どうせくさいんだからみんなで楽しんじゃえ、という思い切りのいいおならです。
出てくるキャラクターが、ちょっとユニークな動物なのも注目です。マンドリルに始まり、マルミミゾウ、チンパンジー、センザンコウ、カワイノシシ・・など、主にアフリカ中西部に生息する動物たちが登場します。こだわりの動物たちをユーモアたっぷりに、やさしい友達の姿に描いているのは、『もうママったら』のキュートな犬の母娘が記憶に新しい寺島ゆかさん。のびのびとした物語は、本書が絵本デビュー作となる河辺花衣さんです。
おならというテーマを、ゆかいなお話にした絵本。こんな楽しいお話で、小さな頃から、おならと明るくつきあえたらいいですね。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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