「モモンガのはいたつやさん」シリーズにクリスマスの絵本登場!
ふくざわゆみこさんが描く、森の動物たちの世界がクリスマス色に染まって、愛らしさをたっぷり楽しめる一冊です。
雪がふりつもる、森のまんなかの赤いポストにはしごをかけて、5ひきのネズミのきょうだいたちが手紙を投函しにきました。
サンタさんへのお手紙です。
しばらくしてモモンガの配達屋さんがポストに手紙をとりにきました。
「おや かわいいてがみが とどいているよ。もうすぐ クリスマスだなぁ」
でも宛先を見たモモンガさん、困ってしまいます。
サンタさんのおうちってどこにあるんでしょう?
そのとき話しかけてきた動物がいました。
「ぼく、おうちにかえれなくなっちゃったの」
大きな角のある動物……だあれ?
じつは、サンタさんのおうちのいちばん末っ子の、トナカイ!
空を飛べる帽子を落っことして、かえれなくなっちゃったんですって。
モモンガさんの提案で、トナカイさんは落とし物のことを森のみんなに手紙で知らせることにします。
すずと帽子の絵と、「さがしています」と一言添えたトナカイさんの手紙。
モモンガさんは森じゅうたずねて歩きますが、手紙を見て、森のみんなは首をかしげるばかり。
でも、いつのまにか森のあちこちからみんながあつまってきて……!?
ふくざわゆみこさんの描く絵には大人も子どももファンが多いのですが、それも納得。
動物たちの表情が愛らしいのと、森の樹々の描写が忠実で、おまけにおうちのインテリアや、生活雑貨が素敵なのです!
個人的には、モモンガさんの家のじゅうたんに座りこんでトナカイさんが手紙を描く場面にすっかり目をうばわれてしまいました。
あたたかそうなクリスマス色のじゅうたん!
色とりどりのリボンや包み紙、羽根ペンセットがいっぱいのお部屋……、あこがれちゃいます。
落とし物をさがすトナカイさんのストーリーに、クリスマスプレゼントをまつネズミたちや森のみんなのストーリーが重なり合って、子どもたちが「よかったねえ」と思えるお話になっています。
最後はモモンガさんにとっても夢のようなクリスマスになりました。
サンタさんのそりと一緒に、まっしろな雪におおわれた森の上を飛ぶモモンガさんの絵をじっくりご覧くださいね。
どこにだれの家があるのか、お子さんと探してみるのも楽しそうですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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