しゅうくんとしーちゃんは、夏休みの自由研究で、和食の調味料について調べることになりました。今日は、和食のことに詳しい尚之先生といっしょに、しょうゆ蔵をたずねます。
大きな木の樽が並ぶ、昔ながらのしょうゆ蔵。部屋の中では、ぷちぷちと音がしています。
「この部屋には、目に見えない小さな生きものがたくさんいるんだよ」
蒸した大豆と炒った小麦は、麹菌の力で「しょうゆこうじ」になり、それに塩水を加えた「もろみ」を、さらに半年から1年発酵させることで、香りのいいしょうゆが出来上がるのです。
先生は教えてくれます。
「しょうゆだけでなく、和食の基本的な調味料は、すべて発酵によってつくられているんだ」
しょうゆ蔵の帰りにみんなで寄ったのは、夏の野菜いっぱいの畑!自然のエネルギーがたっぷり詰まった夏の食材についても教えてもらったら、お待ちかね! しゅうくんとしーちゃんは、夏のごちそう料理を教えてもらいます。
一体、どんな料理ができあがるのでしょうか?
作者は、NHK「きょうの料理」などにも出演している江戸懐石近茶流嗣家(えどかいせききんさりゅうしか)の柳原尚之さん。
本格的な和食というとちょっとしり込みしてしまう…? いえいえ、安心してください。
子どもたちにもわかりやすいイラストで作り方が解説されているので、親子で楽しく挑戦できそうです。何より紹介される料理がどれもとても美味しそうで、きっと作ってみたくなりますよ。
包丁の持ち方や出汁のとりかた、食材の切り方など、和食の基本からマナーまで、この1冊でも、和食についてしっかり学べるようになっています。
みりん、酒、酢、味噌など、普段私たちが当たり前に口にしている調味料には、こんなにも「発酵」が関わっていることや、それぞれのレシピで紹介される調理のコツなど、大人でも改めて驚かされることがいっぱい。
知っておきたい和食のこと。シリーズで読めば、和食の世界がぐっと身近に感じられること間違いなし。ぜひ、親子で和食の面白さを味わってみてくださいね。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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