今日はおじいちゃんとわたし、ふたりでお買い物。
おじいちゃんちのご近所にある「まんぷくよこちょう」に行くんだよ。
「どなたも いらっしゃい いらっしゃい!」
店がぎっしり、人もたくさん。
焼き鳥におでん、くだものにお惣菜、ぷっくりふとったたぬきやき」も。
ああ、なんて美味しそうなものにあふれているのでしょう!
29日は「ふくのいち おおうりだし」の日なんだって。
おじいちゃんがいつもの「いもがら」を買った後、歩く通りには、ラーメン屋にカレー屋に肉まん屋さんにパフェが飾ってある喫茶店! ここは夢の国でしょうか。「今日はいいのがそろってるよ」おしゃべりもいっぱいなのです。まだまだ奥に行くと、よこちょうを守っているというたぬきの神様がいて……。
どこか懐かしく、でもとても活気のある商店街。行ったことあるような、知らないような。でも「まんぷくよこちょう」は、作者のなかざわくみこさんが、東京の実際にある商店街を散歩しながら見つけた風景なのだそう。商品の一つ一つまで細かく丁寧に描写しながらも、全体的に統一感もあって。狭いけれど、奥深い。商店街の独特な魅力が詰まっていますよね。こんな商店街、私も一度迷い込んでみたい。
密度の高い「まんぷくちょこちょう」おさんぽ絵本。
読み終わってみれば……あーまんぷく、まんぷく。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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