ペトロニーユは、天下無敵の母さんねずみ。怪物にとらわれた120ぴきの子どもたちを救うことが できるのか! フランスの大人気絵本を山脇百合子さんの楽しい訳文でお楽しみください。
クロード・ポンティは、フランスの人気絵本作家で、邦訳はこの作品が初めてとのこと。
1990年の作品ですが、日本では2009年の初版となっています。
その絵を見て思い浮かぶのは、モーリス・センダック。
名前を伏されたら、誰しもがセンダックの作品と言うに間違いないと思います。
「まよなかのだいどころ」のようなセンダックのマンガチックな作品を思い浮かべて貰うと分かりやすいかも知れません。
『不思議の国のアリス』で知られるルイス・キャロルを敬愛していると但し書にありましたが、ストーリーを読めば納得できる作品だと思います。
物語は、ねずみのおかあさんのペトロニーユが120匹の子ども達との朝ご飯の風景から始まります。
それから、ペトロニーユはおつかいに出かけるのですが、ここからが大冒険の始まりです。
登場する人物、動物、果ては擬人化したおなべとか岩とか花等等、実に奇妙な概観をしています。
どちらかというと、ファンタジーというよりもグロテスクといった形容の方が似つかわしいのですが、このテイストは不思議の国のアリスを彷彿とさせるものだと思います。
ストーリーは伏線があって、ペトロニーユがおつかいに出ている間に、120匹の子ども達がさらわれてしまうのですが、最後は、ペトロニーユとおとうさんが救出します。
次から次へと奇想天外な話の展開があって、一度読んだだけでは、なかなか理解できないかも知れません。
読み聞かせするには、スケールが大きすぎる感があります。
映画になれば、子どもも大いに楽しめる、そんな絵本ではないかと思いますが、他のクロード・ポンティの作品が邦訳されることを期待しています。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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