世界一のエンジニアになることを夢見る女の子、ロージー。
でも、小学校にいるときは、たいていおとなしく座っています。
誰もいないところでだけ、エンジニアのたまごに変身。夜になると「ひみつこうじょう」で「あれやこれやのメカ」を作ります。そして寝るときには、ベッドの下に隠します。誰かに見られないように……
なぜ、ひみつにしているかというと……小さいころ、大好きなおじさんのために一生懸命作ったメカを、みんなに大笑いされてしまったから。
そんなある日、若いころ飛行機工場で働いていた大おばさんが遊びにきて、ロージーに飛行機を作った話や一つひとつ夢を叶えてきたことを話してくれました。
そして、まだ叶えていない「空を飛びたい」という夢の話も。
その言葉を聞いて、ロージーは大おばさんのために、空飛ぶメカづくりに挑みます!
でも、また失敗……「もう やだ。にどと メカなんか つくらない」と嘆くロージーに、大おばさんがかけた言葉は……。
この絵本を読んでいて気づいたのは、子どもたちが本当に恐れているのは「失敗」ではないのだ、ということです。
一番こわいのは「失敗」ではなくて、「失敗して笑われること」。
それによって自尊心を傷つけられること。
だから、「失敗したくない」と思ってしまうのですね。
ロージーのように、「いまの しっぱいは だいせいこう!」と失敗を肯定的に受け入れてチャレンジし続けられるように……「すてきな失敗の仕方」を、大人も一緒にこの絵本から学んでいけたら、と思います。
(洪愛舜 絵本ナビライター)
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