『ちっちゃなトラック レッドくん』『ちっちゃなトラック レッドくんとブラックくん』につづく、第3作目の登場です。
今回のもうひとりの主人公は、はずかしがりやで、よわむしで、なきむしの女の子、ピンクちゃん。
レッドくんは、ピンクちゃんといっしょに、いつものようにたぬきのおじさんにたのまれて、お届け物をすることになります。
お届け先は「ビカソはくぶつかん」。お届け物は「こわれやすいもの」。
2台に分かれて積むということは、けっこう大きなもの?
ふたりは荷物をのせて走り出しますが・・・。
1作目ではよわむしで、目から涙が垂れっぱなしのレッドくんでしたが、もうそんなふうじゃありません。
高速道路で「こ、こわーい・・・」とのろのろ運転になってしまうピンクちゃんに、「だいじょうぶだよ、ピンクちゃん。もうすこしひだりをはしって、それからがんばってぼくのうしろについてきて。」とやさしく声をかける、たのもしいレッドくんに!
レッドくんたら成長したなあ、かっこいい・・・なんて思っていると、たびかさなるトラブルで、弱気なレッドくんに逆戻り!?
そのとき、なきむしのピンクちゃんはどうするのでしょうか? あとは読んでのお楽しみ!
くりかえし出てくる「あきらめたら、だめ」「どんなときでも、あきらめないことがたいせつなんだ」という言葉は、レッドくんや他の車のおじさんたちがピンクちゃんに伝えているようでもあり、レッドくん自身が自分に言い聞かせているようでもあります。
そして、読んでいるわたしたちにも、ひびいてくる言葉・・・。作者の宮西達也さんからの、心のこもったメッセージですね。
車好きのお子さんにぜひ、と言いたいところですが、今回は地上を走る車だけじゃなく、空をすすむ大きな乗り物も登場します。
それに、最後にわかるお届け物のなかみも、ちょっと変わっていて、今回はいろいろダイナミック!
たしかにこれは「こわれやすいもの」で届け先が「はくぶつかん」なのも納得です。
やさしくシンプルなストーリーでありながら、いつもちょっぴりハラハラドキドキ。
読者の心をググッとつかんではなさない、宮西達也ワールドをどうぞご堪能くださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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<あきらめない気持ちの大切さを伝える、みやにしたつやの愉快でかわいい乗り物絵本、シリーズ第3作!>
ちっちゃなトラックレッドくんは、ピンクちゃんといっしょに荷物を運ぶことになりました。ピンクちゃんは、弱虫で泣き虫。高速道路では、ぶるぶる震えてしまうし、細い山道では「私、もう無理、動けない」そんなピンクちゃんをレッドくんは「前に進もう。あきらめたらだめだよ」と励まします。
いろいろな乗り物たちにも助けられ、励まされて、ようやく目的地ーと思ったら、目の前に風に揺れるつり橋が…。「うわあ!だめだ、渡れない」レッドくんが泣きながら言うと、ピンクちゃんは…!!
めそめそしていたけど、芯のしっかりしたピンクちゃん。一生懸命がんばったけど、泣いてしまったレッドくん。どちらも、どこにでもいる子どもたち。だから、応援したくなる。子どもたちの共感を呼ぶお話です。
<ちっちゃなトラックレッドくんシリーズ 好評既刊>〇ちっちゃなトラックレッドくん
〇ちっちゃなトラックレッドくんとブラックくん
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