野菜と果物が描かれたかっこいい表紙。この本は、野菜と果物のことが詳しくわかる、今までにないタイプの「絵本図鑑」です。
パイナップルのページを見てみましょう。見開きのページの片面には、重さや産地、旬の時期、花から実になりはじめたパイナップルのイラスト、どこから来た植物なのかや歴史、などなど、パイナップルについての情報がぎっしり。
そして片面には、大きな美しいパイナップルの絵が描かれています。この絵は型抜きのめくりになっていて、めくると、包丁で縦にスパッと切ったようなきれいな断面の絵が現れます。めくりの裏には、「やさい・くだもの博士」内田悟さんのコラムがあり、さらに豆知識と、おすすめの食べ方などを教えてもらえます。「パイナップルって青紫色の小さい花がぎっしり咲くんだって。たんぱく質を分解する酵素がお肉を柔らかくするんだって。知ってた?」なんて、誰かに話したくなりますね。
そのほか世界で食べられているたくさんの野菜・果物が登場します。ニンニク、ブロッコリー、ナス、カボチャ、トマト、ブドウ、メロン、カキ(世界でもKAKIと呼ばれているんだそう!)などなど。
フランスで出版された絵図鑑ということで、眺めているだけで楽しい画集のような美しいデザインですが、日本版の独自の情報や監修が加えられて、日本の読者も親しみやすい構成になっています。翻訳の絵図鑑らしい瀟洒なテイストと、詳しい知識の両方を味わえる、なんとも充実の一冊なのです。
子どもたちへはもちろん、お料理が好きな大人の方へのプレゼントにもおすすめです。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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