じごくのはずれにある「じごくこうえん」駅にやってきたのは、ぬのおばけと、ほねおばけ。
「ああ、たいくつだなあ。」
「たまには にんげんを びっくりさせに いこうかな〜。」
というわけで、にんげんをおどかしにいくため、出会って意気投合したふたり。
仲良くホームで、やってくる列車を待っています。
ところが……。
やってくるのは、毛むくじゃらのおおかみおとこ列車や、真っ赤にもえる火のくるま列車、棺桶がならんだ吸血鬼の寝台列車。
おおかみおとこには骨をかじられそうになるし、布には火がつくし、切符代を血ではらうこともできないし、なかなかちょうどよくふたりが乗れる列車がきません。
長い間待ってとうとうやってきた列車には、人がいっぱい。
はりきって、ふたりは、にんげんをおどかそうとしましたが……!?
オチをちょっぴり教えてしまうと、実はこれはハロウィンでおばけとにんげんがあべこべにおどかされてしまうお話。
おばけたちの困った顔、あわてた顔がおもしろい!
いかにもおばけらしい列車が次々やってくるのを、ドキドキしながら待つのは、子どもたちがきっと大好きな時間です。
「ゴトン ゴトン ゴトン」「ガタン ガタン ガタン」と列車が近づいてくる音を、親子で想像して味わいながら、ついに「キエ〜〜〜〜〜!」「イッヒッヒ〜〜〜〜!」とおどかす場面は、雰囲気たっぷりに読んであげてくださいね。
作者しのだこうへいさんには『どうぶつれっしゃ』という絵本作品もあります。
それぞれ巻末に親子で体遊びが楽しめる「おばけれっしゃのうた」「どうぶつれっしゃのうた」を掲載。
イラストと楽譜が載っていますので、遊んでみてくださいね(歌はひさかたチャイルドのサイトで聴くことができます)。
列車の音がゴトン、ガタン…。2冊あわせて読むと楽しいですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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