パンダの足って、肉球あるの?
象の足の裏って、つるつる?でこぼこ?
カンガルーの「かかと」ってどこ?
知っているようで実は知らない、あの動物の“足事情”!
実物大の足の写真とともに、クイズ形式で動物たちの生態に迫る学習絵本の登場です。
動物たちがそれぞれにちがった姿をしているのは当然、わかっているつもりではいましたが、足の形だけとってさえ、こんなにもいろいろな形や仕組みがあるのかと驚かされました。
特にオランウータンの足の写真なんて、その質感が人間の手とあまりにもそっくり!
あらためて、彼らがヒトと近い種の動物なのだということを、強烈に実感してしまいました。
ユニークな動物写真の数々も、本書のみどころ!
後ろ足を人間の手のように使って、器用に紙パックの牛乳を持つオランウータン。
太いしっぽで体をまるごと支えて、両足でライバルにキックを食らわせるカンガルー。
それから、象の足の裏!
ほんの一部分を観察するだけでも、ふだんとはちがう視点から考えを深めることで、思っていた以上にたくさんのことに気づかされるもの。
「観察、それが科学の第一歩です」とは、監修を務める今泉忠明さんが本書の帯に記した言葉です。
「いったいなぜ、そのような足になったのだろう?」と観察してみることで、いままで考えてもみなかったその動物の生活の一場面をありありとイメージできてしまうのは、新鮮でたのしい読書体験でした。
視点を変えて世界をとらえなおし、あらたな発見や疑問を自分で見つけ出す。
そんな子どもの柔軟さを刺激する、ユニークな科学絵本です。
(堀井拓馬 小説家)
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