春においしいタケノコ。
「竹」の「子ども」っていう意味なんですって。
料理する前のタケノコと、緑の枝や葉が生えた細長い竹。
比べてみると、色も形もぜんぜん似てない。
本当にタケノコって、竹の子どもなの?
写真で見ていこう。
竹林の地面にほんのちょっと顔を出したタケノコを、土から掘り出すと……。
わあ、大きい!
この皮、ぜんぶむいたら何枚あると思う?
実際に皮をぬがせてみたら、中身がすごく小さいのがわかります。
地面に生えたままほうっておくと、タケノコは15日であっという間に1メートルくらいになるんですって。
それでもまだまだ伸びていって……。
50日くらいで13〜14メートルもある竹になる!
タケノコの皮がどのようにはがれていくのか、中身の節と節のあいだの部屋がどんなふうに伸びて、増えていくのか。
改めて断面写真や、定点写真で見ると、よーくわかるんです。
科学絵本「しぜんにタッチ!」シリーズの中の1冊。
このシリーズは「ふしぎだな」とみんなが思うことを、写真を使って丁寧に分解し、読み解いて伝えてくれます。
人間の暮らしと自然との関わりを、親しみやすい視点で教えてくれるシリーズです。
タケノコは春が旬の食材ですが、子どもたちは普段「なぜ春なのか」を想像することも少ないかもしれません。
「竹」の「子ども」が大きくなる前、そのぐんぐん伸びる命のパワーごと、私たちはもらって調理して食べているんですね。
植物のふしぎ、食べ物のふしぎ。
そして短い間にぐんぐん世界が変わる「春」の驚きを、本書でたくさん感じてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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