ぼくって、みんなとちょっとちがう。並んでいるだけでも、はしっこに立っていたとしても、目立っちゃう。みんなと同じようになろうと努力はしてみるものの、やっぱり同じになれない。
一人で悩み、苦しんでいるのは、びっくりマークの子。「!」こんな形をしているんだもの、どうしたって目立っちゃうよね。いてもたってもいられなくなって、逃げ出したびっくりマークが出会ったのは、もっと変わった不思議な子。
「ねえ、きみだれ?」
「なんさい? すきないろは?」
「たんじょうびはいつ? いぬとねこ どっちがすき?」
次々に質問をあびさられ、びっくりマークは思わずさけびます。
「ちょっとまって!」
……あれ。ぼく、今きみをびっくりさせたね。
みんなと同じって、とても安心すること。でもどうしたって同じになれなかったり、自分が意図していないのに目立ってしまうことってあるよね。この絵本では、もし悩んでしまったら、まず自分を見つけてみて!と言ってくれます。自分だけの役割、得意なことを見つけることができたら、自由になれるし、みんなにも会いたくなってくる。
「ねえ、みてみて! これがぼくなんだ!」
びっくりマークが主人公。そんなユーモアたっぷりな設定と表現で、自分さがしの旅を楽しく描きだします。読み終われば、きっと思ってしまうはず。……なるほど!ってね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
続きを読む