学校の先生なのに、仮病をつかって
−教師だってときには学校なんかにいきたくない日があるんだよ (「学校」より)
とうそぶいたり、自分の幼い娘にむかって
なくときはくちあいてはんかちもってなきなさい (「桃の節句に次女に訓示」より)
と本気で言ってしまったり、死んでいく友だちの枕もとでは、
−じゃ ひとあし先に船出するんだね 船長月も明るく海は静かだよ (「船出」より)
とつぶやいたり・・・。そんなふうに、人間くさい詩人なのです、辻征夫という詩人は!
一所懸命生きてきたけど、やることなすことあまりうまくはいかない、そんなときに、一服の清涼剤になります。
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